ピアノに消音ユニット(サイレントシステム)を取り付けると、生音とはまるで異なる電子ピアノの音になってしまいます。微妙なニュアンスも再現されません。
一方、吸音パネルや遮音パネルで音の出口を塞ぐという方法は、どうしても音がこもってしまいます。音量を大きく落とせるシステムほど、この傾向が強いようです。
ある日、プロのピアニストの方から「生音のままで音色も響きも鍵盤タッチも変えずに音量だけを下げられないか」というご相談をいただきました。 音がこもる理屈は簡単です。
中高音域だけが減音され低音域はそのまま出てしまうためです。しかし、残念ながら世の中には低音域までバランスよく吸音あるいは遮音できる素材がありません。
そこで、長年の研究成果を総動員して低音域のみを選択的に低減できるパネルを開発しました。これと従来の技術を併用すれば全音域をバランスよく低減できるようになります。
ピアノには一切、傷を付けないため取り外すことも可能です。
吸音材に頼らないため音のエネルギーが温存され、響きが豊かになるという副次効果も得られました。 不思議なことに、音量が小さくなっているのにもかかわらず音量感は変わりません。 どうやら人間は記憶の中の音色の変化で音量を認識しているようで、実際の音量には鈍感なようです。 なので、取り付けていることを忘れている方も少なくありません。教えなければ他の演奏者や観客にも気付かれません。
音量は確実に小さくなっているため、一戸建て住宅なら窓の防音だけで済む可能性が十分にあります。簡易的な防音室でも深夜の気兼ねが要らなくなるかも知れません。また、思いっきり弾いても耳を傷めずに済みます。 防音室を作る場合でも要求性能を緩和できますので、大幅にコストを抑制することができます。東京都杉並区のショールームでご試奏いただけますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。
レストランやラウンジバーなどで、お食事やおしゃべりの邪魔をすることなくBGMに適した音量で生演奏することができます。小さな音を出しにくい自動演奏ピアノにも適しています。 天板を開ければ通常の音量で演奏できますので特別なライブイベントにも支障ありません。音量の小さな楽器に合わせることもできますので、今まで難しかったPA装置を使わない音楽会などへも生ピアノの活用の場が広がります。
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